概要
atopは、システムの現在の状態を包括的に表示する対話型監視ツールです。特定の時点のスナップショットを記録して後で分析する機能も提供し、システムリソース使用量のボトルネックを特定するのに優れています。
主な特徴
- リアルタイムシステムリソース使用量の監視 (CPU、メモリ、ディスク、ネットワーク)
- プロセスおよびスレッドごとの詳細なアクティビティ情報を提供
- 過去のパフォーマンスデータのロギングおよび分析機能
- 対話型インターフェースによるさまざまなビューへの切り替え (メモリ、ディスク、ネットワークなど)
- システム負荷の原因 (CPU、メモリ、I/Oなど) を明確に特定
主なオプション
atopコマンドは、さまざまなオプションを使用して監視方法と出力内容を細かく制御できます。
監視とロギング
出力内容の制御
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`atop` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
atopのさまざまな活用方法を示す例です。
基本的なリアルタイム監視 (5秒間隔)
atop -i 5
5秒間隔でシステムの現在の状態を監視します。
アクティビティデータをファイルに記録
atop -a -i 10 600 > atop_log.raw &
バックグラウンドで600秒 (10分) 間、10秒間隔でシステムアクティビティを「atop_log.raw」ファイルに記録します。
記録されたファイルからデータを読み込む
atop -r atop_log.raw
以前に記録された「atop_log.raw」ファイルからデータを読み込んで再生します。
メモリ使用量の詳細表示
atop -m
メモリ関連の詳細情報を含めてシステムの状態を監視します。
ディスクI/O詳細表示
atop -d
ディスクI/O関連の詳細情報を含めてシステムの状態を監視します。
ネットワークアクティビティ詳細表示
atop -n
ネットワークインターフェース関連の詳細情報を含めてシステムの状態を監視します。
インストール
atopはほとんどのLinuxディストリビューションにデフォルトで含まれていないため、パッケージマネージャーを使用してインストールする必要があります。
Debian/Ubuntu
sudo apt update
sudo apt install atop
APTパッケージマネージャーを使用してatopをインストールします。
CentOS/RHEL/Fedora
sudo yum install atop # または sudo dnf install atop
YUMまたはDNFパッケージマネージャーを使用してatopをインストールします。
ヒントと注意点
atopの使用に関する役立つヒントと注意点です。対話モードで特定のキーを押すことで、さまざまな情報を素早く切り替えることができます。
主な対話型キーボードショートカット
atopが実行中に次のキーを押すと、表示される情報を変更できます。
- g: デフォルト (通常) ビューに切り替え
- m: メモリ関連情報を表示
- d: ディスクI/O関連情報を表示
- n: ネットワーク関連情報を表示
- u: プロセスごとのCPU使用率でソート
- p: プロセスごとのメモリ使用率でソート
- t: ソート順序を時間順に変更
- l: プロセスごとのネットワーク使用率でソート
- c: プロセスごとのコマンドライン表示/非表示
- v: プロセスごとのスレッド情報を表示
- s: プロセスごとのスケジューリング情報を表示
ログファイルの管理
atopはデフォルトで「/var/log/atop/」ディレクトリに日次ログファイルを生成します。これらのファイルは時間とともにディスク容量を多く消費する可能性があるため、定期的な管理 (例: logrotateの設定) が必要になる場合があります。
atopsarの活用
atopパッケージには「atopsar」というユーティリティも含まれています。このツールを使用すると、atopログファイルから特定の期間の統計データを抽出し、レポートを生成できるため、過去のパフォーマンス分析に非常に役立ちます。