ホーム > パッケージ・システム管理 > ddrescue

ddrescue: 破損したメディアからのデータ復旧

ddrescueは、破損したハードドライブ、CD-ROM、DVDなどからデータを復旧するためのツールです。エラーが発生したセクターをスキップし、可能な限り多くのデータをコピーすることで、破損したメディアのデータを安全に別の場所に移動するために使用されます。

概要

ddrescueはGNUプロジェクトのデータ復旧ツールであり、破損したストレージデバイスからデータを安全にコピーすることに特化しています。読み取りエラーが発生した部分を効率的に処理し、復旧プロセスを再開できるようにログファイルを使用します。

主な特徴

  • 破損したメディアからのデータ復旧
  • エラーセクターのスキップと再試行
  • ログファイルによる復旧の再開と効率化
  • 様々なストレージデバイスのサポート (HDD, SSD, CD/DVDなど)

主なオプション

ddrescueの主なオプションは、復旧方法、ログファイル管理、エラー処理などを制御します。

基本動作と制御

ログファイル管理

復旧戦略

生成されたコマンド:

コマンドを組み合わせてみてください。

説明:

`ddrescue` コマンドを実行します。

これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。

使用例

ddrescueを使用して破損したメディアからデータを復旧する様々な方法です。

基本復旧

sudo ddrescue /dev/sdb1 /mnt/recovery/image.img recovery.log

破損した `/dev/sdb1` パーティションのデータを `image.img` ファイルに復旧し、`recovery.log` に進行状況を記録します。

ディスク全体強制復旧 (直接アクセス)

sudo ddrescue -f -d /dev/sdb /mnt/recovery/full_disk.img disk_recovery.log

破損した `/dev/sdb` ディスク全体を `full_disk.img` に復旧します。`-f` はターゲットファイルの上書きを、`-d` は直接ディスクアクセスを意味します。

逆方向復旧

sudo ddrescue -R /dev/sdb1 /mnt/recovery/image.img recovery.log

メディアの末尾から開始して、逆方向に復旧を試みます。特定の種類の破損に対してより効果的な場合があります。

エラーセクター再試行回数指定

sudo ddrescue -r 3 /dev/sdb1 /mnt/recovery/image.img recovery.log

エラーが発生したセクターに対して最大3回再試行した後、スキップします。

インストール

ddrescueはほとんどのLinuxディストリビューションにデフォルトで含まれていないため、パッケージマネージャーを使用してインストールする必要があります。パッケージ名は通常 'gddrescue' です。

Debian/Ubuntu

sudo apt update && sudo apt install gddrescue

aptパッケージマネージャーを使用してddrescueをインストールします。

Fedora/RHEL

sudo dnf install gddrescue

dnfパッケージマネージャーを使用してddrescueをインストールします。

Arch Linux

sudo pacman -S gddrescue

pacmanパッケージマネージャーを使用してddrescueをインストールします。

ヒントと注意点

ddrescueの使用時に注意すべき点と、効率的な復旧戦略に関するヒントです。

ログファイルの重要性

復旧プロセスを中断してから再開する際にログファイルを使用すると、以前に復旧された部分をスキップして効率的に作業を再開できます。ログファイルがない場合は、最初からやり直す必要があります。

  • ログファイルの使用: `ddrescue`はログファイルを通じて復旧の進行状況を追跡し、中断した作業を正確に引き継ぐことができます。これは特に大容量メディアの復旧時に非常に重要です。
  • ログファイルの保管: 復旧作業が完了するまでログファイルを安全に保管する必要があります。復旧に失敗した場合に再試行する際に役立ちます。

ターゲットメディアの空き容量確保

復旧されたデータが保存されるターゲットメディアは、元のメディアよりも十分な空き容量を確保する必要があります。

  • 十分な容量: 復旧するイメージファイルが保存されるターゲットメディアは、元のメディアの全体サイズと同じかそれ以上である必要があります。スパースファイルオプション(-S)を使用すると、容量を節約できます。

元のメディアの保護

復旧作業中に元のメディアにさらなる損傷が加わらないように注意し、可能な限り読み取り専用でマウントするか、他の作業は避けるべきです。

  • 読み取り専用: 可能であれば、破損した元のメディアを読み取り専用でマウントし、誤った書き込み操作を防いでください。
  • 追加損傷の防止: 復旧作業中は、元のメディアに対する他の操作を最小限に抑え、追加の物理的または論理的な損傷を防ぐ必要があります。

事前のバックアップ

ddrescueを使用する前に、重要なデータは可能な限りバックアップしておくことをお勧めします。

  • 最終手段: ddrescueは強力なツールですが、データ復旧は常にリスクを伴います。可能な場合は、ddrescueを使用する前に他の方法でデータをバックアップしておくのが最も安全です。

同じカテゴリのコマンド