概要
`flush`機能は、`ip`コマンドを通じて特定のネットワークオブジェクト(アドレス、ルート、キャッシュなど)を削除するために使用されます。主に`ip addr flush`、`ip route flush`、`ip neigh flush`のような形式で使用されます。
主な用途
- ネットワークインターフェースのIPアドレス削除
- ルーティングテーブル項目の削除
- ARP/NDPキャッシュのクリア
主なオプション
`flush`サブコマンドは、`ip`コマンドの他のサブコマンドと組み合わせて使用され、フラッシュするオブジェクトの種類に応じて様々なオプションを持ちます。ここでは、`ip addr flush`と`ip route flush`に共通して使用できる主なオプションを扱います。
対象指定
動作制御
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`flush` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
特定のデバイスの全IPアドレスをフラッシュ
sudo ip addr flush dev eth0
eth0インターフェースに割り当てられた全てのIPアドレスを削除します。
全てのルーティングテーブル項目をフラッシュ
sudo ip route flush
メインルーティングテーブルの全てのルートを削除します。(注意:ネットワーク接続が切断される可能性があります。)
特定のネットワーク範囲のルートをフラッシュ
sudo ip route flush to 192.168.1.0/24
192.168.1.0/24ネットワーク宛ての全てのルートを削除します。
ARPキャッシュエントリをフラッシュ
sudo ip neigh flush all
全てのARP(Address Resolution Protocol)キャッシュエントリを削除します。
インストール
`flush`機能は`iproute2`パッケージの一部であり、ほとんどのLinuxディストリビューションにデフォルトでインストールされています。別途インストールは不要です。
パッケージ確認
`ip`コマンドが動作するか確認することで、`iproute2`パッケージのインストール状況を知ることができます。
- 確認コマンド: ip a
パッケージインストール (Debian/Ubuntu)
sudo apt update && sudo apt install iproute2
もし`iproute2`パッケージがインストールされていない場合は、次のコマンドでインストールできます。
パッケージインストール (CentOS/RHEL)
sudo yum install iproute2
もし`iproute2`パッケージがインストールされていない場合は、次のコマンドでインストールできます。
ヒントと注意点
注意点
`ip flush`コマンドはネットワーク接続に即座に影響を与える可能性があるため、使用時には注意が必要です。特に稼働中のシステムでは慎重に使用してください。
- `ip addr flush`は該当デバイスの全てのIPアドレスを削除するため、リモート接続中の場合は接続が切断される可能性があります。
- `ip route flush`はルーティングテーブルをクリアするため、ネットワーク通信ができなくなる可能性があります。
関連コマンド
ネットワーク関連のフラッシュ以外で、他の種類のフラッシュ操作に使用されるコマンドです。
- `sync`: ファイルシステムバッファをディスクに同期するために使用されます。
- `iptables -F`: ファイアウォールルールをフラッシュするために使用されます。