概要
idは「identity」(識別情報)の略で、システム上でユーザーを識別するために使用される数値IDを表示します。Linuxシステムでは、ユーザー名の代わりにUID(ユーザーID)とGID(グループID)を使用して権限を管理します。`id`コマンドは、現在シェルを実行しているユーザーのUIDとGID、および補助グループ(supplementary groups)のリストを出力します。これにより、ファイルやディレクトリへのアクセス権限、プログラム実行権限などを素早く把握でき、システム管理者がユーザー権限の問題を解決する際に最初に使うツールの1つです。
主な特徴
idコマンドの主な特徴は以下の通りです。
- 現在のユーザーまたは特定のユーザーのUIDとGIDを表示します。
- ユーザーが所属するすべてのグループのリストを表示します。
- 権限関連の問題を解決する際に役立つ情報を提供します。
- スクリプトでユーザーIDやグループIDを確認する用途で活用されます。
id関連用語
idコマンドで確認できる主要な用語です。
- UID (User ID): ユーザーを識別する固有の数値IDです。通常、0は`root`、1-999はシステムアカウント、1000以上は一般ユーザーに割り当てられます。
- GID (Group ID): グループを識別する固有の数値IDです。ユーザーは1つ以上のグループに所属できます。
- groups: ユーザーが所属するすべてのグループのリストです。最初のグループは「プライマリグループ」であり、残りは「補助グループ」です。
主要オプション
よく使用されるidコマンドのオプションを目的別にグループ化しました。
1) 出力オプション
2) ヘルプ
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`id` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
idコマンドの様々な使用例を通じて機能を習得してください。
現在のユーザー情報を表示
id
現在ログインしているユーザーのUID、GID、所属グループ情報を表示します。
特定のユーザー情報を表示
id guest
`guest`というユーザーの詳細情報を表示します。
ユーザーのUIDとGIDを表示
id -u
id -g
ユーザーのUIDとプライマリGIDをそれぞれ数値のみで表示します。
ユーザー名のみ表示
id -un
現在のユーザーの名前のみを表示します。`whoami`と同じ結果を返します。
すべてのグループ名を表示
id -Gn
ユーザーが所属するすべてのグループの名前をスペースで区切って表示します。`groups`コマンドに似ています。
インストール
idは`coreutils`パッケージの一部であり、ほとんどのLinuxディストリビューションにデフォルトで含まれています。別途インストールする必要はありません。
ヒントと注意事項
idコマンド使用時の注意点をまとめました。
ヒント
- `id -u`を使用すると、現在のユーザーのUIDを取得でき、これはスクリプトでroot権限の有無を確認する際に役立ちます。(例: `if [ "$(id -u)" == "0" ]; then ... fi`)
- `id -Gn`コマンドは`groups`コマンドと同じ結果を出力します。どちらのコマンドも、ユーザーが所属するグループを確認する際に便利です。