概要
lessは「less is more」という名前の通り、`more`コマンドの短所を補完するために誕生したツールです。`more`はファイルの内容を前方にしかスクロールできませんが、`less`はページを上下に自由に移動できます。また、`vi`エディタに似た強力な検索機能や、ファイルの内容をリアルタイムで更新する機能(`F`キー)を提供します。`less`はファイル全体をメモリにロードせず、必要な部分だけを読み込むため、数ギガバイト(GB)にも及ぶ大容量ファイルも素早く閲覧できます。
主な特徴
lessコマンドの主な特徴は以下の通りです。
- ファイルの内容を前後に自由にスクロールできます。
- 大容量ファイルを閲覧してもメモリを効率的に使用します。
- `vi`に似た強力な検索および探索機能を提供します。
- ログファイルのように内容が追加されるファイルをリアルタイムで監視できます。
- ほとんどのLinuxディストリビューションに標準で含まれています。
lessとmoreの違い
lessはmoreのすべての機能を含み、より多くの機能を提供する進歩したツールです。
- less: ファイルを前後に自由にスクロールできます。スクロール機能以外にも、様々なエディタ機能に似た機能を提供します。
- more: ファイルを前方にしかスクロールできません。一度通り過ぎた内容は再度見ることができません。
主要オプション
lessコマンドは、様々なオプションを通じて出力方法を制御します。しかし、ほとんどは対話型モードでキーボードショートカットを通じて制御します。
1) 実行オプション
2) 対話型モードのキーボードショートカット
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`less` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
lessコマンドの様々な使用例を通じて機能を習得しましょう。
ファイル内容の探索
less /var/log/syslog
大容量ファイルである`/var/log/syslog`の内容を自由に探索します。
パイプ(|)と組み合わせて使用
dmesg | less
`dmesg`コマンドの出力結果を`less`にパイプして、1ページずつ、前後に探索しながら確認します。
ファイルの末尾から開始
less +G /var/log/nginx/access.log
`+G`オプションは、ファイルの末尾から開始し、最新のログをすぐに確認する際に便利です。
行番号とともに表示
less -N /etc/fstab
`-N`オプションを使用して、各行の前に番号を付けて表示します。
ヒントと注意点
lessコマンドを使用する際の注意点をまとめました。
ヒント
- `less`は`vi`に似たショートカットを多く使用します。例えば、`g`はファイルの先頭に、`G`は末尾に移動します。
- ログファイルのように内容が継続的に追加されるファイルを見る場合、`less`で開いた後、`F`キーを押すと`tail -f`のようにリアルタイム監視モードに切り替わります。このモードを終了するには`Ctrl+C`を押します。