概要
meldは、diffやsdiffのようなターミナルベースのテキスト比較ツールとは異なり、グラフィック環境でファイルを比較します。複数の色で違いを明確に表示し、ユーザーがマウスをクリックするだけで変更をマージできるインタラクティブな機能を提供します。ディレクトリ比較時も、どのファイルが追加、削除、変更されたかを一目で把握でき、複雑なコードマージ作業を直感的に処理できます。
主な特徴
meldの主な特徴は以下の通りです。
- 2つまたは3つのファイルを同時に比較できます。
- 行単位の違いを色で強調表示し、視覚的に簡単に把握できます。
- マウスをクリックするだけで、変更を一方のファイルからもう一方のファイルにマージできます。
- ディレクトリ全体を再帰的に比較し、ファイルのステータス(同じ、異なる、固有)を表示します。
- Git、Mercurial、Subversionなど、さまざまなバージョン管理システムと統合して競合を解決するのに役立ちます。
ターミナルコマンドとの違い
meldは、diffのようなターミナルコマンドとは異なり、視覚的な対話に焦点を当てています。
- meld: GUIベースで視覚的な違いの確認とインタラクティブなマージが可能です。主に手動マージ作業に使用されます。
- diff / sdiff: ターミナルベースでテキストファイルの差分を出力します。主にスクリプトの自動化や簡単な変更点の確認に使用されます。
主なオプション
meldは主にGUIで動作しますが、ターミナルで実行する際に便利なオプションがいくつかあります。
1) 実行オプション
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`meld` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
meldをターミナルで実行する例を通して機能を習得しましょう。
2つのファイルを比較
meld file1.txt file2.txt
file1.txtとfile2.txtをGUIで比較します。
2つのディレクトリを比較
meld dir1 dir2
dir1とdir2ディレクトリの内容を再帰的に比較します。
3つのファイルを比較
meld file1.txt file2.txt file3.txt
file1.txt、file2.txt、file3.txtを3つのウィンドウで並べて比較します。競合解決時に役立ちます。
Gitの競合解決にmeldを使用
git mergetool
Gitのマージ中に競合が発生した場合、`git mergetool`のデフォルトツールとしてmeldを使用して競合を解決できます。
インストール
meldはほとんどのLinuxディストリビューションのリポジトリに含まれています。以下のコマンドを使用して簡単にインストールできます。
Debian/Ubuntu
sudo apt update
sudo apt install meld
RHEL/CentOS/Fedora
sudo dnf install meld
Arch Linux
sudo pacman -S meld
ヒントと注意事項
meldを使用する際に知っておくと良い点です。
ヒント
- meldは視覚ツールであるため、X Window Systemのようなグラフィック環境でのみ動作します。リモートサーバーで使用する場合は、X11フォワーディング(`ssh -X`)が必要です。
- meldの左右のウィンドウはそれぞれファイル1、ファイル2を表します。中央の矢印ボタンをクリックすると、変更を簡単にマージできます。
- Gitのようなバージョン管理システムで、`git config --global merge.tool meld`コマンドを使用してデフォルトのマージツールとして設定できます。