概要
mtrは、送信元から宛先までのネットワークパスを視覚的に表示し、各ホップで発生するパケットロス、遅延時間、応答時間などを継続的に測定してリアルタイムで更新します。これにより、ネットワークのボトルネックや問題箇所を容易に特定できます。
主な特徴
- PingとTraceroute機能の統合
- リアルタイムネットワークパス診断と更新
- 各ホップごとのパケットロス率と遅延時間の測定
- ネットワーク問題箇所の特定が容易
主なオプション
mtrコマンドの主なオプションは、ネットワーク診断方法を細かく制御するのに役立ちます。
診断方法
出力形式
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`mtr` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
インストール
mtrはほとんどのLinuxディストリビューションにデフォルトで含まれていないため、次のコマンドを使用してインストールする必要があります。
Debian/Ubuntu
sudo apt update && sudo apt install mtr
aptパッケージマネージャーを使用してmtrをインストールします。
CentOS/RHEL
sudo yum install mtr
yumパッケージマネージャーを使用してmtrをインストールします。
Fedora
sudo dnf install mtr
dnfパッケージマネージャーを使用してmtrをインストールします。
使用例
mtrコマンドの様々な使用例を通して、ネットワーク診断方法を習得しましょう。
基本使用法
mtr google.com
google.comまでのネットワークパスをリアルタイムで診断します。
DNS名前解決なしで診断
mtr -n google.com
IPアドレスのみを表示して診断速度を向上させます。
レポートモード (100パケット)
mtr -r -c 100 google.com
100パケットを送信した後、結果を表示して終了します。
パケットサイズ指定 (1000バイト)
mtr -s 1000 google.com
1000バイトサイズのパケットでパスを診断します。
出力フィールド指定
mtr -o "LSD NBAW" google.com
パケットロス率、送信パケット数、ドロップパケット数、最新/最高/平均/最悪応答時間のフィールドを表示します。
ヒントと注意点
mtrを効果的に使用してネットワーク問題を診断するのに役立つヒントと注意点です。
ネットワーク問題診断のヒント
- **パケットロス確認**: 特定のホップで高い「Loss%」が継続的に発生する場合、そのホップまたはそれ以降の区間に問題がある可能性が高いです。
- **遅延時間の変化を観察**: 特定のホップで「Avg」(平均遅延時間)が急増したり、「StDev」(標準偏差)が高く表示されたりする場合、そのホップで遅延が発生していることを意味します。
- **DNS問題の診断**: `-n` オプションを使用してDNS名前解決を無効にした後も問題が続くか確認することで、DNS関連の問題かネットワークパスの問題かを区別できます。
- **ファイアウォールの影響を考慮**: 一部のルーターやファイアウォールはICMPパケットを制限したり優先度を下げたりすることがあるため、100%のパケットロスが発生しても、必ずしもそのホップに問題があると断定できるわけではありません。
主な出力フィールドの説明
mtrの出力における各フィールドの意味を理解すると、診断に役立ちます。
- Loss%: そのホップで失われたパケットの割合です。
- Snt: そのホップに送信されたパケットの総数です。
- Last: 最後に受信したパケットの遅延時間(ms)です。
- Avg: すべてのパケットの平均遅延時間(ms)です。
- Best: 最も短い遅延時間(ms)です。
- Wrst: 最も長い遅延時間(ms)です。
- StDev: 遅延時間の標準偏差です。値が高いほど、遅延時間の変動が大きいことを意味します。
ルート権限が必要
一部のmtr機能(例:ICMPパケットの生成)はルート権限が必要な場合があります。「sudo mtr」を使用することをお勧めします。