概要
nslookup(name server lookup)は、DNSクエリを通じてドメイン名に対するIPアドレスを取得したり、IPアドレスに対するドメイン名を取得したりするために使用されるツールです。このコマンドは元々`BIND(Berkeley Internet Name Domain)`パッケージの一部でしたが、機能的な限界と予測不可能な動作のため、現在は公式には使用が中止され、`dig`や`host`のようなより安定したツールに置き換えられています。しかし、依然として多くのシステムに標準で含まれているため、簡単なDNS情報の確認目的で使用されることもあります。
主な特徴
nslookupコマンドの主な特徴は以下の通りです。
- ドメイン名に対するIPアドレス(Aレコード)を照会します。
- IPアドレスに対するドメイン名(PTRレコード)を照会します。
- 対話モードをサポートし、複数のクエリを連続して実行できます。
- `dig`に比べて出力形式が単純です。
digとの違い
nslookupはdigよりも機能が単純で、現在はほとんど使用されていません。
- nslookup: 使用が推奨されていない旧式ツールです。予測不可能な動作のため、スクリプトでの使用は困難です。
- dig: 最も広く使用されている現代的なDNSクエリツールです。詳細で構造化された出力が提供され、様々なオプションを通じて洗練されたクエリが可能です。
主なオプション
nslookupは主に、対話モードで`set`コマンドと共に使用するか、非対話モードで引数と共に使用します。
1) 実行オプション
2) 対話モード
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`nslookup` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
nslookupコマンドの様々な使用例を通じて機能を習得しましょう。
基本ドメイン照会
nslookup google.com
`google.com`のIPアドレスと、クエリに応答したネームサーバー情報を出力します。
メールサーバー(MX)レコード照会
nslookup -type=MX gmail.com
`gmail.com`のメールサーバー情報を照会します。
特定のネームサーバーで照会
nslookup naver.com 8.8.8.8
Google DNSサーバー(`8.8.8.8`)を使用して`naver.com`の情報を照会します。
対話モードの使用
nslookup
> server 8.8.8.8
> set type=MX
> naver.com
> exit
対話モードに入り、複数のクエリを連続して実行します。
インストール
nslookupは、ほとんどのLinuxディストリビューションで`bind-utils`または`dnsutils`パッケージの一部として標準で含まれています。含まれていない場合は、以下のコマンドでインストールできます。
Debian/Ubuntu
sudo apt update
sudo apt install -y dnsutils
RHEL/CentOS/Fedora
sudo dnf install -y bind-utils
ヒントと注意事項
nslookupコマンド使用時の注意点をまとめました。
ヒント
- `nslookup`はもはや使用が推奨されていません。DNS問題の解決には`dig`を、簡単な照会には`host`を使用することをお勧めします。
- `nslookup`の対話モードは、スクリプトで自動化するのが難しいという欠点があります。
- もし`nslookup`が応答しない場合、システムの`/etc/resolv.conf`ファイルに設定されたDNSサーバーに問題があるか、ネットワーク接続に問題がある可能性があります。