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objdump: オブジェクトファイル情報の表示

実行ファイル、オブジェクトファイル、ライブラリなどのバイナリファイルの様々な情報を分析・表示するコマンドです。アセンブリコード、ヘッダー、セクション、シンボルテーブルなどを確認でき、デバッグやリバースエンジニアリングに役立ちます。

概要

objdumpは、ELF、COFF、a.outなど様々な形式のオブジェクトファイルから情報を抽出し、人間が読める形式で表示します。主にデバッグ、リバースエンジニアリング、バイナリ分析に活用され、GNU Binutilsパッケージの一部です。

主な機能

  • アセンブリコードの逆アセンブル (Disassembly)
  • ファイルヘッダー情報の表示
  • セクションヘッダー情報の表示
  • シンボルテーブルの確認
  • 動的再配置情報の確認

主なオプション

objdumpは、バイナリファイルの特定部分を分析したり、出力形式を制御したりするための様々なオプションを提供します。

情報表示

出力形式

生成されたコマンド:

コマンドを組み合わせてみてください。

説明:

`objdump` コマンドを実行します。

これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。

使用例

objdumpを使用してバイナリファイルの様々な情報を抽出する方法を示します。

実行ファイルの逆アセンブル

objdump -d /bin/ls

/bin/ls 実行ファイルのアセンブリコードを表示します。

全ヘッダー情報の表示

objdump -x /bin/ls

/bin/ls ファイルの全ヘッダー情報を詳細に表示します。

シンボルテーブルの表示

objdump -t /bin/ls

/bin/ls ファイルに定義されているシンボル(関数、変数など)のリストを表示します。

インテル構文での逆アセンブル

objdump -M intel -d /bin/ls

/bin/ls ファイルのアセンブリコードをインテル構文で表示します。

ライブラリファイルのセクションヘッダー表示

objdump -h /lib/x86_64-linux-gnu/libc.so.6

共有ライブラリファイル(.so)のセクションヘッダー情報を表示します。

ヒントと注意点

objdumpは強力なバイナリ分析ツールですが、その結果を理解するにはアセンブリ言語とバイナリファイル構造に関する基本的な知識が必要です。

活用ヒント

  • 特定の関数を分析する際に、`objdump -d <file> | grep -A 20 <function_name>` のように `grep` と組み合わせて使用すると便利です。
  • 共有ライブラリファイル(.so)や静的ライブラリファイル(.a)内のオブジェクトファイルの分析にも活用できます。
  • セキュリティ脆弱性分析、マルウェア分析、システムプログラミングのデバッグなど、様々な分野で重要なツールとして使用されます。

注意点

objdumpはバイナリファイルを変更せずに情報を読み取るだけの安全なツールです。しかし、出力される情報量が膨大になる可能性があるため、必要なオプションを正確に使用して、目的の情報だけを抽出することが重要です。


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