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read: ユーザー入力を読み取る

readコマンドは、標準入力(stdin)または指定されたファイルディスクリプタから1行を読み込み、1つ以上の変数に格納します。シェルスクリプトでユーザー入力を受け取ったり、ファイルの内容を処理したりする際によく使用されます。このコマンドは、Bash、Zshなど、ほとんどのシェルに組み込まれています。

概要

readは、スクリプトがユーザーから情報を受け取ったり、パイプまたはファイルからデータを読み込んで変数に割り当てたりする際に中心的な役割を果たします。さまざまなオプションを通じて、入力方法と処理方法を細かく制御できます。

主な機能

  • ユーザーから1行の入力を受け取る
  • 入力された内容を変数に格納する
  • プロンプトメッセージを表示する
  • 入力のタイムアウトを設定する
  • パスワードなどの機密性の高い入力を隠す処理

主なオプション

readコマンドの主なオプションは、ユーザー入力の処理方法を多様に制御するのに役立ちます。

入力制御

生成されたコマンド:

コマンドを組み合わせてみてください。

説明:

`read` コマンドを実行します。

これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。

使用例

readコマンドのさまざまな活用例を通じて、ユーザー入力の処理方法を学ぶことができます。

基本的な入力の取得

read name
echo "こんにちは、$nameさん!"

ユーザーから名前を入力してもらい、変数に格納します。

プロンプト付きで入力の取得

read -p "好きな色は何ですか? " color
echo "あなたは$colorが好きなんですね。"

ユーザーに質問を提示し、回答を入力してもらいます。

タイムアウト設定

echo "5秒以内に名前を入力してください:"
read -t 5 name
name=${name:-"ゲスト"}
echo "こんにちは、$nameさん!"

5秒以内に何も入力がない場合は、デフォルト値で処理を続行します。

パスワード入力の隠蔽

read -s -p "パスワードを入力してください: " password
echo "\nパスワードが入力されました。"

入力される文字が画面に表示されないようにします。

複数の変数に入力を分割して格納

read -p "名前と年齢を入力してください(例:山田太郎 30): " name age
echo "名前:$name, 年齢:$age"

スペースで区切られた入力を複数の変数に順番に格納します。

ファイルから1行ずつ読み込む

echo -e "Line 1\nLine 2\nLine 3" > example.txt
while IFS= read -r line; do
  echo "読み込んだ行:$line"
done < example.txt
rm example.txt

ファイルの内容を1行ずつ読み込んで処理する一般的なパターンです。

ヒントと注意点

readコマンドをより効果的かつ安全に使用するためのヒントと注意点です。

read -r の使用の重要性

read -rオプションは、バックスラッシュ(\)をエスケープ文字として解釈せず、通常の文字として処理するため、入力された文字列がそのまま変数に格納されるようになります。特にファイルパスなど、特殊文字が含まれる可能性のある入力を受け取る際に、データの損失や誤動作を防ぐために常に使用することをお勧めします。

  • 例(バックスラッシュの処理): echo 'C:\Users\User' | read path; echo $path -> C:UsersUser (バックスラッシュ削除) echo 'C:\Users\User' | read -r path; echo $path -> C:\Users\User (バックスラッシュ維持)

IFS変数の活用

IFS(Internal Field Separator)変数は、readコマンドが入力を行に分割する際に使用する区切り文字を定義します。デフォルト値はスペース、タブ、改行文字です。IFSを変更することで、カンマ(,)やコロン(:)などで区切られたデータを簡単に解析できます。

  • 例(カンマ区切り): echo "apple,banana,cherry" | IFS=, read -r fruit1 fruit2 fruit3 echo "最初の果物:$fruit1, 2番目の果物:$fruit2"

セキュリティ上の注意:evalとの併用禁止

ユーザーから入力された値をevalコマンドと直接併用することは、セキュリティ上非常に危険です。悪意のあるユーザーが任意のコードを実行できる脆弱性となる可能性があります。ユーザー入力は常に信頼できないデータとして扱い、必要な場合は厳格に検証する必要があります。

  • 悪い例: read -p "コマンドを入力してください: " cmd eval "$cmd" # 絶対にこのように使用しないでください!

ファイル処理時のwhile readパターン

ファイルのコンテンツを1行ずつ読み込んで処理する際、`while IFS= read -r line`パターンは非常に強力で効率的です。`IFS=`は先頭/末尾の空白の削除を防ぎ、`-r`はバックスラッシュの処理を防ぐことで、ファイルの内容を正確に読み込めるようにします。

  • 一般的な使用法: while IFS= read -r line; do # $line変数にファイルの各行が格納されます。 echo "処理中:$line" done < your_file.txt

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