概要
sarは、システムのCPU使用率、メモリ使用量、ディスクアクティビティ、ネットワークトラフィックなど、広範なパフォーマンス指標を監視・記録します。これにより、システムのボトルネックを特定し、パフォーマンスの傾向を分析できます。
主な機能
- リアルタイムのシステムアクティビティ監視
- 過去データの記録と分析
- 多様なシステム指標のサポート (CPU、メモリ、ディスク、ネットワークなど)
- パフォーマンス問題の診断とキャパシティプランニング
主なオプション
sarコマンドは、さまざまなシステム指標を監視するための多くのオプションを提供します。
監視指標
時間と繰り返し
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`sar` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
sarコマンドを使用してさまざまなシステム指標を監視する例です。
CPU使用率の監視
sar -u 2 5
2秒間隔で5回、CPU使用率をレポートします。
メモリとスワップの使用率
sar -r 3 4
3秒間隔で4回、メモリとスワップの使用率をレポートします。
ディスクI/O統計
sar -b 5 3
5秒間隔で3回、ディスクI/O統計をレポートします。
ネットワークデバイス統計
sar -n DEV 2 5
2秒間隔で5回、ネットワークデバイス統計をレポートします。
全CPUコアの使用率
sar -P ALL 1 10
1秒間隔で10回、全CPUコアの使用率をレポートします。
本日の全システムアクティビティレポート
sar -A
本日収集された全システムアクティビティデータをレポートします。
インストール
sarはsysstatパッケージの一部です。多くのLinuxディストリビューションではデフォルトでインストールされていない場合があるため、次のコマンドを使用してインストールする必要があります。
Debian/Ubuntu
sudo apt update && sudo apt install sysstat
DebianまたはUbuntuベースのシステムでsysstatパッケージをインストールします。
CentOS/RHEL/Fedora
sudo yum install sysstat
sudo dnf install sysstat
CentOS、RHEL、またはFedoraベースのシステムでsysstatパッケージをインストールします。
インストール後、sysstatサービスを有効にしてsarが定期的にデータを収集するように設定できます。(例: `sudo systemctl enable sysstat && sudo systemctl start sysstat`)
ヒントと注意点
sarを効果的に活用するためのヒントと注意点です。
便利なヒント
- sarはデフォルトで `/var/log/sa/` ディレクトリに日次データを保存します。 `sar -f /var/log/sa/saDD` (DDは日付)コマンドで過去のデータを照会できます。
- sarはリアルタイム監視だけでなく、cronを使用して定期的にデータを収集するように設定することで、長期的なパフォーマンス傾向の分析に非常に役立ちます。
- 出力される値の単位と意味を正確に理解することが重要です。例えば、CPUの `%idle` はアイドル時間を表します。
注意点
- sysstatパッケージがインストールされていないとsarコマンドを使用できません。
- 一部のシステムでは、sarデータ収集がデフォルトで無効になっている場合があります。 `/etc/default/sysstat` または `/etc/sysconfig/sysstat` ファイルを編集して有効にする必要がある場合があります。