概要
scriptreplayは、「script」コマンドが生成した2つのファイル、すなわちターミナル出力内容が含まれるtypescriptファイルと、各出力の時間間隔が記録されたtimingファイルを使用してセッションを再生します。これにより、実際のターミナルで起こった状況を視覚的に完全に再現できます。
主な機能
- 記録されたターミナルセッションの正確な再生
- 時間情報に基づいたリアルな再現
- 再生速度調整機能の提供
- 教育、デモ、問題解決に有用
必要なファイル
scriptreplayには次の2つのファイルが必要です。これらのファイルは「script」コマンドを通じて生成されます。
- typescriptファイル: ターミナルに出力されたすべての内容が記録されたファイル(デフォルト:「typescript」)
- timingファイル: 各出力間に経過した時間情報が記録されたファイル(script -tオプションで生成)
主なオプション
scriptreplayコマンドは、セッション再生方法を制御するいくつかのオプションを提供します。
ファイル指定と再生制御
生成されたコマンド:
コマンドを組み合わせてみてください。
説明:
`scriptreplay` コマンドを実行します。
これらのオプションを組み合わせて、AIと一緒に仮想的にコマンドを実行してみてください。
使用例
scriptreplayを使用して記録されたターミナルセッションを再生するさまざまな方法を示します。
基本セッションの記録と再生
# セッション記録開始(timing.logとtypescript.logファイルを生成)
script -t timing.log -a typescript.log
# ここにコマンドを入力して作業を実行します。
ls -l
pwd
exit
# 記録されたセッションの再生
scriptreplay -t timing.log -s typescript.log
まず「script」コマンドでセッションを記録し、次に「scriptreplay」で再生します。
2倍速でセッションを再生
scriptreplay -d 2 -t timing.log -s typescript.log
記録されたセッションを2倍速で再生します。
0.5倍速でセッションを再生(低速)
scriptreplay -d 0.5 -t timing.log -s typescript.log
記録されたセッションを半分の速度で遅く再生します。
デフォルトファイル名で再生
# scriptコマンドでデフォルトファイル名で記録
script -t
# ... 作業実行 ...
exit
# デフォルトファイル名で再生
scriptreplay
scriptコマンドがデフォルトファイル名(typescript, timing)で記録した場合、個別のファイル名指定なしで再生します。
ヒントと注意点
scriptreplayを効果的に使用するためのヒントと注意点です。
scriptコマンドとの連携
scriptreplayは必ず「script」コマンドで生成されたファイルと組み合わせて使用する必要があります。特に、時間情報を記録するために「script -t」オプションを使用することが重要です。
- セッション記録時には常に `script -t <timing_file> -a <typescript_file>` の形式で使用
- デフォルトファイル名(`typescript`, `timing`)を使用する場合は `script -t` だけで十分
ファイル管理
記録されたセッションファイル(typescript, timing)は通常のテキストファイルであるため、機密情報が含まれる可能性があります。再生後は、必要に応じてファイルを安全に削除するか、アクセス権限を制限することをお勧めします。
再生環境
scriptreplayはターミナル環境をそのまま再現するため、再生時の現在のターミナルのサイズや設定によって出力レイアウトが異なって見えることがあります。最適な視聴体験のために、記録時と類似したターミナル環境で再生することをお勧めします。